今回は、愛知県刈谷市のN様から、太陽光発電設備を設置している屋根の雨漏りについてご相談をいただきました。
N様の太陽光発電システムは2009年に設置されたとのことで、2026年時点で約17年が経過しています。
屋根材はカラーベストで、太陽光発電システムを設置する前に、屋根塗装を1度実施しているとのことでした。
雨漏りの原因を確認するため、屋根裏に入り、太陽光パネルを固定している部分や屋根下地の状態を点検しました。
屋根裏から太陽光パネルの固定部分を確認
屋根裏を確認したところ、太陽光パネルを固定するための金具が屋根下地の野地板(屋根材の下にある下地板)に固定されており、固定用ビスの貫通を屋根裏側から確認できました。
N様邸に設置されているメーカーは、施工マニュアルでは垂木(屋根を支える骨組み)にビスを固定する方法が指定されています。
メーカーや製品によっては、野地板への固定を前提とした施工方法もありますが、今回確認した固定方法は、メーカーが指定する垂木への固定方法とは異なっていました。
また、野地板に固定されているビスの周辺には、雨水が侵入したと考えられる痕跡を確認しました。
コーキング・シーリング材についても、ビスに対して十分に充填されていなかった可能性があります。
ただし、設置から長期間が経過しているため、施工時の状態だけでなく、経年劣化によってシーリング材が痩せたり、隙間が生じたりした可能性も考えられます。
固定ビスを通じて雨水が侵入していることは確認できましたが、施工時のシーリング不足によるものなのか、経年劣化によるものなのかまでは判断できませんでした。
このまま放置すると、屋根下地の劣化をはじめ建物の耐久性にも影響するおそれがあるため、適切な補修が必要と判断しました。
屋根の改修とあわせて太陽光パネルの撤去もご提案
今回の調査結果を踏まえ、N様には2つの改修方法をご提案しました。
1つ目は、金属屋根材によるカバー工法です。
既存の太陽光パネルを一度降ろし、雨水の侵入が疑われる箇所を補修したうえで、ニチハ製の金属屋根材「横暖ルーフ」を使用し、屋根面全体を改修する方法です。
カバー工法とは、今付いている屋根材の上に新しい屋根材を重ねて施工する方法です。
既存の屋根をはがさなくていい分、屋根材の処分費の削減や工期の短縮につながるのがポイントです。
2つ目は、太陽光パネル設置面の屋根材を葺き替える方法です。
太陽光パネルを降ろして必要な補修を行ったあと、パネルが設置されている面の既存カラーベストを撤去し、新しいカラーベストに葺き替える方法です。
先ほどの全面改修に比べてコストを抑えることはできますが、施工面以外は現状のままとなるため、屋根塗装などのメンテナンスが将来的に発生することになります。
いずれの方法でも、屋根の補修や改修をする際には、既存の太陽光パネルを一度取り外す必要があります。
冒頭にありましたが、今回の太陽光発電システムは設置してから約17年が経過しています。
そのため、屋根を改修したあとに既存パネルを再設置することだけを前提とせず、設置年数や設備の状態、今後の使用予定なども踏まえ、撤去・処分する選択肢を含めてご提案しました。
太陽光設備と屋根を一緒に確認する必要があります
今回のN様邸では、屋根裏から固定ビスの状態を確認できたことで、雨水の侵入経路を絞り込むことができました。
ただ、雨漏りの箇所を補修すれば、それですべて解決というわけではありません。
屋根を改修するには、設置されている太陽光パネルを一度降ろす必要があります。そこで問題になるのが、17年使用してきたパネルを再び設置するかどうかです。
再設置にも費用がかかるため、今後どのくらい使用する予定なのか、設備の状態はどうなのかといった点も考えなければなりません。
今回は屋根の改修方法だけでなく、太陽光発電システムを今後どうするかという点も含めてご提案しました。
現場担当より
今回のN様邸では、屋根裏から固定ビスの状態を確認できたことが、雨漏りの原因を調べるうえで大きな手掛かりになりました。
また、太陽光発電システムが設置から17年経過していたため、屋根を直すだけでなく、既存のパネルを再設置するかどうかも含めたご提案となりました。
太陽光パネルが設置された屋根の雨漏りは、屋根工事と太陽光設備の両方に関わる場合があります。
屋根の雨漏りや太陽光設備の不具合でお困りの場合は、太陽光発電アフター相談センターまでご相談ください。



